JA大分中央会について

ごあいさつ

新年ご挨拶

壁村会長

JA大分中央会
代表理事会長 壁村 雄吉

 明けましておめでとうございます。

 令和6年の年頭にあたり一言ごあいさつ申し上げます。

 令和5年を振り返りますと、まず一つ目に、「食料・農業・農村基本法の改正議論の本格化」があげられます。「農政の憲法」と言われる基本法の制定以来初となる改正に向け、JAグループとしても議論をすすめ、国に対する働きかけを実施してきました。しかし、今まさに今後数十年にわたる農政を左右する正念場であることや依然として続く生産資材価格の高止まりなど、食料・農業・農村をめぐる情勢をふまえ、引き続き、全国のJAグループと連携し、「食料安全保障の強化」や「再生産に配慮した適正な価格形成の仕組みの具体化」、「農業の持続的な発展」などの実現に向け、国に対する働きかけを実施してまいります。

 二つ目は、「国消国産」についてです。JAグループでは、令和2年より、「国民が必要とし消費する食料は、できるだけその国で生産する」という「国消国産」をキーメッセージに情報発信を強化してきました。令和5年においても、10月・11月を「国消国産月間」として、JA直売所キャンペーンやJAタウンでの送料無料キャンペーンなどを実施するとともに、JR大分駅のデジタルサイネージを活用したPRを通じて、県民理解の醸成を図りました。日本の食料自給率(カロリーベース)は先進国の中でも最低水準の38%で、実に6割以上を海外からの輸入に頼っているという状況のなか、日本の国内で食料を生産する大切さについて、もっと多くの方に意識していただけるよう、あらゆる機会を通じて発信してまいります。子どもや孫たちの未来に、日本・大分の「食」をつなげるために、「国産ひいては県産の農畜産物を選び・食べる」という身近な行動で、「国消国産」を応援していただけるよう積極的にPRしてまいります。

  三つ目は、「農業システム再生に向けた行動宣言」についてです。少子高齢化や後継者不足による農業就業人口の減少、担い手・労働力不足による生産基盤の脆弱化など厳しい状況が続くなか、令和3年10月に発出した当該行動宣言もと、行政と連携し農業関係者が一体となって、営農指導体制と部会活動の強化やねぎ・ピーマン・高糖度かんしょ・ベリーツの生産拡大、堆肥の広域流通による畜産・耕種での好循環確立、担い手の育成・確保等に取り組んでいます。これらの「農業者の所得増大・農業生産の拡大」等に繋がる取り組みを着実に実践していくことで、農業振興が伸び行く年となるよう、引き続き、予算措置や施策の支援等を要請してまいります。

 四つ目は、「自然災害・家畜伝染病」についてです。昨年も7月上旬の大雨、さらにはその後の高温障害等により、農作物への被害が発生しました。自然災害が頻発化するなか、行政の指導のもと、現状復旧に留まらず、改良復旧などにより災害に強い産地づくりを行っていく必要があります。また、鳥インフルエンザや豚熱などの発生が、生産基盤や食料の安定供給に大きな影響を及ぼすことから、家畜防疫への対応強化も必要であり、この点についても要請してまいります。

 五つ目は、「新型コロナウイルス」の関連です。昨年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の扱いが、季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行されました。3年あまり続いたコロナ禍は次のフェーズに移り、秋口には、インバウンド(訪日外国人)もコロナ禍前の水準にまで回復してきたとの報道もありました。しかし、物価高の影響もあり、家庭消費は伸び悩み、高価格帯品(牛肉や高級果実)では苦戦が続いているという現状もあるため、今後も生産現場の要望を汲み上げ、状況に応じた取り組みをすすめてまいります。

 昨年は県内での嬉しいニュースもございました。

 2月の「第54回大分県農業賞(生産・銘柄産地・6次化部門)」で、JAおおいた豊後大野甘藷部会が“最優秀賞”と“農水大臣賞”を受賞しました。高糖度かんしょ「甘太くん」のブランドを生産者とJA、行政が一体となって高めており、今後、販売額6億円を目指し、さらなる飛躍が期待されます。

 また、令和4年度より本格的に栽培が始まった新品種米「なつほのか」が、一般財団法人日本穀物検定協会が実施する「令和4年産米の食味ランキング」において、参考品種ではありますが“特A評価”を受賞しました。「大分県産つや姫」と「西部地区ひとめぼれ」と合わせて3銘柄の受賞は、九州では大分のみでした。産地としての評価が高まりつつある状況を活かし、今後の有利販売につなげてまいります。

 令和6年度は、第31回JA大分県大会決議に基づく中期計画の最終年度の取り組みとなります。県内農業者が希望をもって生産に取り組めるよう、「農業者の所得増大」「農業生産の拡大」「地域の活性化」「持続可能な経営基盤の確立・強化」「組合員の『アクティブ・メンバーシップ』の確立」の5つの柱のもと、不断の自己改革に取り組んでまいります。

 今年の干支は「甲辰(きのえ・たつ)※たつどし」であります。これまでの努力が実って、夢が叶いやすい年になると言われております。令和6年、皆さまのこれまでの努力が実り、夢が叶う年となることを祈念いたします。

 最後になりますが、本年が大分県農業とJAグループ大分にとって、素晴らしい年となりますようご祈念申し上げ、年頭のあいさつといたします。